私たちは自分の感じていることや過去の記憶が正しいと、何の疑問も持たずに信じているものです。
はたしてそれは本当に正しいのでしょうか?
以前親戚の方々が法事で集まったとき、昔話に花が咲いて子供の頃の自分がどんな子だったか教えてもらいました。驚いたのは自分の記憶とまわりの大人の方たちの認識があまりにも違っていたということ。
話を聞いているうちに気付いたのですが、自分の記憶のいくつかが自分の都合のいいように変わっていたのです。いかに子どもの頃の記憶といえど、これほどの違いがあることにびっくりしました。
一番違いを感じたのは、両親との思い出。
小学生の頃、仕事の忙しかった父と平日に会うことはほとんどありませんでした。
そのため私は祖父と遊ぶことが多かったのですが、休日はほとんど父と出掛けていたそうです。
仕事で疲れているはずなのに、本当はゆっくり休みたかったはずなのに、子どものために自分の時間を割いていてくれたのです。記憶があまりないため忘れていたんですが、意外な思い出がわかってとても嬉しかった。
よくよく考えてみると、多くの人は自分の視点からしかものごとを見たり、受け止めたりしていないのです。
まわりの人たちが持つ別の視点での印象をしっかりと受け入れることが大切です。
おかげさまで父との楽しい思い出を聞くことができましたし、父に対する見方も大きく変わりました。
(父は仕事人間で子どもにはあまり興味がないと思っていましたが、そうではありませんでした。)
自分のこともちゃんと気にかけてくれていたんだな、という想いと、それを今まで気付けなかった自分自身が情けなく感じられました。
よく息子、娘として、親に全然愛されていないよ、という人がいます。
その家族の事情は当人たちにしかわからなこともあります。でもそれぞれの記憶はどうであれ、真実はいつも変わりません。自分だけの思い込みで歪めることがあったら、それはやはり不幸なこと。
もし愛情を感じられないと思うときは、他の方の話を聞いてみたり、別の視点でじっくり観察してみてくださいね。あなたが気付かなかった優しさに触れることができるかもしれませんので。
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