【人生のヒント】母に学ぶ!人を動かすのに正論だけではダメな理由

人生のヒント

 

1月4日は「石の日」だそうです。

「い(1)し(4)」の語呂合わせから、この日に地蔵、狛犬、墓石など願いがかけられた石に触れると、願いがかなうという。石は昔から神様の寄り付く場所として尊ばれている。

 

 

本日もご覧いただき、ありがとうございます♬

 

私の母はもうすぐ69歳になります。

今でも元気に畑仕事をして、たくさんの孫と遊び、毎月のように温泉旅行に出かけて行きます!

そのハツラツとした姿はうれしい限りなんですが、さすがに老いには勝てず、

この数年でいよいよ耳が遠くなってきたんですね。

 

特に最近では、耳元で大きな声で話さないとちゃんと伝わらない、という状態になってしまいました。

ところが本人は、

「大丈夫。聞こえは悪くなってるけど、言ってることはわかってるから。」

とか言うんですよねー。

 

ときどき聞きまちがえてることもあるのに、なかなか認めません(笑)

しかし家族が感じているのですから、外出しているときも、友人とのやりとりも、多少のスレ違いが起こっていることは簡単に想像できます。

 

「補聴器をつける」という提案を母はしぶしぶ受け入れてくれ、

「試してみて、よかったらつけるね。」ということになり、

補聴器を扱っているお店をまわることに。

 

そして最初に行った補聴器専門店。

対応してくれたスタッフは、その方も難聴で補聴器をつけていて、

「耳の聞こえない人の気持ちはよくわかるんですよ。」

という言葉から始まった説明はベテランの説得力。

 

検査の結果、母は実際の音声の4割ほどしか聞こえておらず、

聞こえていない部分は想像で補っていることがわかったんです。

 

そのスタッフの方から、

「お母様、本当は聞こえていないんですよ。想像で補って聞こえたつもりにしてしまう癖がついているんです。」

と聞かされ、

「ああ、だからときどき取り違えてしまうんだなー。」と思いました。

そして、これできっと母も補聴器をつけてくれるだろうな!と。

 

そして説明は続き、

「この補聴器をつければ、音そのものが8割ぐらいまで聞こえるようになりますから、音そのものを聞くようにがんばってください!」

とスタッフが伝えたところ、

その説明を聞いた母が、強い調子で言い返したんです!

 

「私は、いつも聞くようにがんばっていますが!」

 

思わず、横に座っている母の顔を見ると、うっすら涙を浮かんでいました。

 

すべての説明が終わり、店から出た母は言いました。

「この店では買わない。もうこの店には来ない。」

 

 

次の専門店のスタッフは若い男性で、補聴器はつけていません。

前のお店と同じような検査をし、出た結果もほとんど一緒。

 

そのスタッフは検査結果の数値の解説をすませ、

母にこんな話をしたのです。

 

「とても68歳には見えませんねー。しかも、毎月旅行に行っているなんて、ホント素晴らしいですよ。僕も奥様のように歳をとりたいです。」

「この補聴器をつけると、ほとんど実際の音が聞こえるようになるんですが、会話が聞き取れるようになる人と、ならない人がいます。」

「その違いは会話の必要性があるか、どうかです。」

「ない人はなかなか聞き取れるようになりません。その点、 奥様は今でもいろんな方とおしゃべりを楽しんでおられますから、必ず会話が聞き取れるようになりますよ!」

母は、このお店で補聴器を買うことを決めました😲

 

カンファレンスバナー

 

ここまでのお話を聞いてどう思われましたか?

 

一方では、良かれと思って伝えた激励が、母の聞く耳をかたく閉ざし、

一方ではさりげない承認と、補聴器をつけたあとのイメージが、

母の聞く耳をやさしく開き、さらっと受け入れられたんです。

 

どちらのお店の説明も、それは確かに正論です。

しかし、人は正論だけでは動きません。

 

まずは、共感し、寄り添い、相手の本当に求めているのものを見抜く。

それが何よりも大切なんですね。

 

さて本日も明るく元気に過ごしましょう♬

 

 

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